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肩への負担、そして様々な病気の発症へ…

四十肩を含め、何故私たち人間に肩こりが起こりやすいのでしょうか。
私たち人間は、世界中で唯一、二足歩行する哺乳類動物です。そして他の動物との最も大きな違い、それは大脳の発達です。全体重に対する脳の重さの割合も、ずば抜けて高いのです。その頭を支えているのが、頚椎です(首上部の骨)。また、人間の日常生活を考えてみると「下を向く行為」が、天を見上げる行為よりはるかに多い動作を示しています。つまり二足歩行をする私たち人間とって、首(頚椎)・肩(肩関節群)は身体の中で最も筋肉の緊張・負担を負っている部分だということがわかります(普段、何気なく立っている状態でさえ、両肩は重力に反してぶら下がっています=筋肉の緊張状態)。それ故、二足歩行の私たち人間は、肩こりが発症しやすいのだと思います。

そして、私たちはそれを「単なる肩こり」と安易に考えてはいけません。何故なら肩こりの原因が、別の病魔の隠れ蓑の場合があるからです。

例えば…変形性頚椎炎…
肩が凝る・首を動かすと痛みを生じる、このような症状は頚椎の異常によって発症します。そして頚椎の異常・変形(関節部分にある軟骨の変形)は肩こり以外に、椎間板ヘルニア(腰痛)なども引き起こします[椎間板ヘルニアは、頚椎骨軟骨症(総称)とも呼ばれています]。

例えば…内蔵疾患…
胃・肺・肝臓に疾病がある場合、まず肩こりの症状を訴える患者が多いのです。その他にも、虫歯や歯槽膿漏・視力の低下・鼻や耳の疾病等々がある場合、最初に肩こりの症状を発症すると言います。つまり、これらの病状を治療すれば、肩こりも治ることを意味しています。
例えば…後縦靭帯骨化現象(こうじゅうじんたいこっかげんしょう)…
あまり聞き慣れない病名だと思います。しかし日本人はよく発症する病気であり、重症化すると肩や腕といった上半身だけでなく、下半身麻痺を引き起こす可能性もある非常に怖い病気です。頚椎の後ろには、骨と骨を繋ぎ合わせている靭帯があります。この靭帯が徐々に厚くなり、しまいに骨となってしまう…この骨が脊髄に突き刺さる…つまり神経を圧迫し、様々な障害を引き起こすのです。その始めの症状として、肩こりを発症させるわけです。

このように私たち人間が考えている以上に、肩への負担は大きいわけです。肩こりになってしまうと「日にち薬だから、自然にしていれば時期に治る」と思ってはいけません。なかなか治らないのであれば、しっかり治療院で診察を受けるべきだと思います。…肩こりが治れば、万病も治る…