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四十肩によく似た病状~頚椎症~

四十肩の症状として、「肩がだるくて上げられない」「肩が痛くて、全く動かすこともできない」等々が言われます。そのような症状に加え、「頭痛」「イライラ感」「耳鳴りを起こし、首が上がらない」「鎖骨周辺に痛みを感じる」「息苦しく、胸を張ることができない」等々の症状が見受けられる場合、四十肩以外の病状を確認する必要もあります。
四十肩によく似た症状を引き起こす病気、それが頚椎症と呼ばれるものです。頚椎は椎骨の一部で、頭を支えるための骨です(首の部分)。そして頚椎症は、頚椎の老化現象から生じる症状なのです(退行性変化)。老化現象によって、引き起こされる症状=頚椎椎間板の劣化による変性・頚椎の一部が変性して、トゲのように鋭い形状に変性してしまう骨棘形成…これらの原因によって、上記で述べた症状(肩こり以外に頭痛・首が回らない等々)が発症してしまうのです(四十肩も肩関節周辺の老化現象)。
もちろん、頚椎症の原因は老化現象だけではありません。猫背といった姿勢の悪さによる頚椎の歪み・姿勢悪化を伴うことで血行不良になり、頚椎や椎間板の異常代謝・スポーツや交通事故による頚椎損傷(外傷後変性症)・先天的頚椎異常…

では、頚椎症に対してどのような治療方法が施されているのでしょうか。
まず言えること…それは必ず専門医で診察を受けることです。何故なら、頚椎症は頚椎の様々な病変を調べなければ、はっきりした原因が掴めないからです。そのような病変を確認したうえで、牽引療法・低周波療法・SSP療法といった物理療法で頚椎症を治療します(SSP療法=刺さない鍼治療とも言われています。SSPという電極をツボに置くことで、低周波治療を行います)。そして、頚椎コルセットで患部を固定する方法・痺れや痛みを緩和させる薬物療法も行われます。また、姿勢のバランスの悪さから発症する頚椎症の場合、整体院・カイロプラクティックといったプロの施術師がいる治療院で、姿勢矯正・バランス調整・歩行矯正を改善することで完治を目指します。

少し余談になりますが、今でも多くの整形外科では、牽引療法を治療の一部として行っている現状があるようですが…多くの治療院から「牽引療法はほとんど効果が見られない」という報告が多数上がっています。年齢・症状から四十肩に間違いないと、自分自身で決めつけることだけはしないでください。それほど頚椎症の症状は、四十肩の症状によく似ているのです。治療院でしっかり診察を受け、病状を確定…それから、しっかり治療に専念するべきです。