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四十肩の石灰化~フローズン・ショルダー~

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「四十肩の石灰化とは???」…一体、この言葉は何を意味しているのでしょう。
四十肩の石灰化…通称「フローズン・ショルダー」と呼ばれています。もともと石灰の外観は、真っ白に覆われ固まった状態です。つまり四十肩の石灰化=四十肩による痛みが原因で肩を動かさなくなり、身体の内なる部分(肩関節部分)が石灰のように固まってしまう症状を言います(石灰沈着性腱炎)。

ではどうして、四十肩の石灰化のような症状になってしまうのでしょうか。四十肩を発症してしまった場合、発症した側の肩は治療に専念します(治療=じっと安静にすること)。しかし、発症した側の肩を安静(治療)に保っていると、逆の肩が凝り始めてしまいます。そして発症していない肩をリハビリテーションすることで、発症した側の肩のリハビリテーションを怠ってしまうのです。結果、発症した側の肩を動かす時期になっても動かすことをしない(痛みを生じているため)⇒石灰化して固まってしまうのです。とにかく四十肩を発症した時点で、すでに腕を自由に動かすことは困難になっています。もし四十肩の痛みを恐れてリハビリテーションを怠ってしまえば、肩の石灰化に拍車を掛けることになるだけです。
しかも、この四十肩の石灰化…悪化すれば、更なる恐ろしい症状を引き起こしてしまいます。石灰沈着現象が棘上筋腱部(きょくじょうきんけんぶ)に発生してしまい、筋・腱の部分を壊死させてしまうのです。こうなってしまうと、治療自体も非常に難しくなります。そうならないためにも、きちんと治療することが必要です。

例えば肩の痛みを抑えるだけであれば、ブロック注射などを打って痛みを和らげることはできます。実は肩の石灰化は、身体の外部からの影響を受けていません。つまり、身体の内部からの影響で石灰化⇒身体の内部から、石灰化を溶かす酵素も出ているのです。その酵素は肩を動かすことで、身体の内部から放出されるのです。根気よく四十肩の石灰化の治療を行えば、1年前後である程度治癒します=日常生活に支障をきたさない程度に回復(治療期間は、石灰化の程度によって変化します)。そしてしっかり回復させるためには、カイロプラクティック・整体院・接骨院・整骨院等々の治療院に通院することが重要なのです。薬物療法・注射なども効果はあると思いますが、何といっても肩をいかに動かすかということが基本的な治療方法になるからです。
今、四十肩で苦しんでおられるみなさん…慢性期になれば少々痛さを我慢してでも、肩を動かすように心掛けてください。それが四十肩の石灰化を防ぐ一番の予防手段です。

四十肩の痛みの原因

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四十肩の痛みの原因…それは「肩関節周囲炎」…つまり、肩関節周辺に発症する炎症が原因、そして激しい痛みが生じます。四十肩の痛みの発症は、次の3つのケースがあります。

1.上腕二頭筋(腕の筋肉の先端部分)の腱が、炎症を起こすことで痛みを発症します。
2.上腕骨と肩甲骨の周りを囲む筋腱組織を、腱板と言います。その腱板が損傷、もしくは断裂することで激しい痛みを発症します。
3.骨と腱板の間には、腕がスムーズに動かせるように「肩峰下滑液包(けんぽうかかつえきほう)があります。肩峰下滑液包が何らかの原因によって、スムーズに流れなくなる(動かなくなる)ことで痛みを発症します。

では何故、肩関節周囲炎という症状が40歳代(中高年層)になって、発症してしまうのでしょうか。「朝、肩の痛みで急に目が覚め、肩を動かそうとしても全く動かすことが出来ない。」…実は、四十肩の痛みの原因はわかっていますが、発症する要因は明確にはわかっていないのです。ただし、次のような理由が考えられています。「肉体的老化現象の発生」「運動不足」=肩関節の腱・筋の硬直化…

みなさんはこのような掲示を、目にしたことがあるのではないでしょうか。「40歳になったら、まずは人間ドッグで身体中をしっかり診てもらいましょう。」…つまり40歳代という年齢は、運動不足等々を含めた老化現象の始まりと言えるのです。そして、(老化現象を含め)人間ドッグで成人病チェックが検査されるように、四十肩=成人病の一種とも言われているくらいになっているわけです。

また、四十肩は基本的に左右どちらかの肩が発症すれば、もう一方の肩は四十肩にならないと言われています。しかし様々な状況を考えると、あながちそうとは言えない現実を目にします。
例えば四十肩を発症した肩をかばうあまりに、もう片方の肩を酷使=疲労が蓄積して(治りかけの時期、四十肩を両肩に発症する恐れ)…

例えば季節的要因=急に寒くなることで、今まで伸びていた肩の筋・腱が急に縮んでしまい…
つまり、四十肩は一回きりの発症で終わることはないのです。逆に様々な要因が絡み合って、四十肩を再び発症させてしまう危険性が、非常に高いと言えるのです。ある調査で「四十肩を発症した年齢」を、グラフにしたものがあります。10年ほど前は、40代半ば当たりが最も多い割合でしたが、今ではその割合が40歳前後まで…つまり、四十肩は低年齢化に拍車をかけているのです。「私は20歳代・30歳代だから、肩こりとは無縁だ」なんて、考えてはいけません。四十肩の低年齢化が、すぐそこまで迫ってきています。

四十肩:3つの病期

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四十肩には「~1.激痛が発症 2.痛みが徐々に弱まる 3.四十肩の治癒~」…この3つの症状=3つの病期に分けて、考えることができます。

1.激痛が発症=急性期
…肩関節の炎症を引き金に、四十肩を発症。個人差はありますが、2週間前後、肩を動かすだけで激痛を生じます。時には、肩をジッとしているだけでも激痛を伴う場合もあります。
2.痛みが徐々に弱まる=慢性期…肩関節の炎症は随分マシになってきています。しかし相変わらず、肩を動かせば痛みを生じます。また、四十肩の後遺症とも言える肩関節全体の癒着によって、肩の動き自体が鈍くなる傾向にあります。そして、慢性期も個人差があります(2~4ヵ月程度)。
3.四十肩の治癒=回復期…肩関節の炎症は完治しています(痛み自体もほとんどありません)。しかし四十肩の後遺症として、肩の動きが非常に悪くなる・人によって、肩がほとんど動かなくなる場合も…。回復期にも個人差があります(3~6ヵ月程度)。

そして急性期・慢性期・回復期には、それぞれ治療方法があります。

・急性期の治療方法…急性期の場合、肩関節の炎症がピークを迎えているため、激痛を伴います。無理に肩を動かすと余計に悪化するので、とにかく肩を動かさず、患部に湿布を貼り安静を保ってください。また病院へ通院している場合、薬物処方として消炎鎮痛薬・副作用の少ないステロイド系注射…このような治療が施されます。
・慢性期の治療方法…肩関節の炎症は、治まりつつあります。癒着もしていると思いますが、なるべく肩を温めながらゆっくり動かすことを心掛けてください(お風呂場)。万が一、慢性期に肩を動かすことをしなければ癒着が進行して…肩全体が動かなくなることも考えられます。病院へ通院している場合、癒着してしまった肩関節の動きをスムーズにするため、ヒアルロン酸を肩に注入する治療方法も施される場合もあります(ヒアルロン酸=言うなれば、肩の潤滑油的役割を担っています)。
・回復期の治療方法…回復期になると、肩の痛みはほとんどありません。とにかく肩を動かし、可動域を広げるようにしてください。もし可動域を広げる運動をしなければ、(癒着によって)肩関節の動ける範囲がダンダン狭まっていきます。ラジオ体操・ストレッチ…とにかく、慢性期以上に肩を動かすことが重要です。また癒着が酷くなった場合、カイロプラクティック・整体院・接骨院といった治療院で、肩関節に対する施術を行ってください。肩がびっくりするほど楽に動くようになります。[癒着=肩周辺には、「滑液包(かつえきほう)」というものがあります。滑液包とは、関節を潤滑に動かすための「滑液(潤滑液のようなもの)」が含まれているのです。肩関節の炎症=滑液包の炎症を意味します。つまり滑液包の炎症が原因で、骨・腱がくっ付いてしまう状態を癒着と言いのです]

四十肩/五十肩とは

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40歳を超えた頃から、「急に肩が重くなった」「今まで以上に肩こりが酷くなった」「朝起きたら、腕がまったく上がらなくなってしまった」等々…私たちにとって肩こりは、想像以上に深刻な症状をもたらします。その顕著な例が四十肩です。四十肩の痛みの原因は、肩の周りの筋肉の炎症・年齢による肩周りの筋肉の衰え・肩の腱が伸縮しなくなった等々が、挙げられます。
40歳を超えた人の肩こりを四十肩と呼ぶように、50歳を超えた人の肩こりを五十肩と呼びます。そしてもっと前には、六十肩という呼び方もあったのです。

四十肩・五十肩・六十肩…これらの呼び方、実は六十肩が最初に呼ばれていたのです。六十肩⇒五十肩⇒四十肩…肩こりの発症が、段々低年齢化していくことで呼び方が変わってきたわけです。つまり四十肩・五十肩・六十肩の呼び方は肩こりの症状が違うわけでなく、年齢によって分けられただけなのです(当然、肩こりの発症原因も同じ=治療方法・予防方法)。

四十肩/五十肩の症状、正式名は「肩関節周囲炎」という疾患群を指します(肩関節の周りで起こる炎症)。私たちの肩関節は、非常に広範囲動かすこと出来ます…つまり、非常に複雑な構造をしているのです。肩関節=肩甲骨+上腕部の骨が接続=それらを囲う筋肉と腱…これらがスムーズに連動して始めて、私たちの肩は痛みを生じることなく、自由に動かすことができているわけです。それだけ複雑な構造をしている肩…年齢を重ねていけば、徐々にひずみも出てきます。それが肩関節周辺の炎症です。そして、その症状は中高年層以上の人に多く見受けられるわけです。

また四十肩/五十肩になると、肩関節周辺の炎症によって可動域がグンと狭まってきます(肩が動かせる範囲)。例えば「腕を真上に上げる・腕を真横に開く・腕を後ろに回して両手を握る」…これらの動きをチェックした時、肩に痛みを生じる・肩がスムーズに動かないようであれば、四十肩/五十肩の可能性が非常に高いといえます。
では、私たちが四十肩/五十肩と呼んでいる肩こりと普通の肩こりでは、一体どこが・何が違うのでしょうか。
四十肩/五十肩は、肩関節の炎症によって痛みを生じます。それ以外(若い人たちの肩こり)の場合、単なる筋肉疲労なのです(筋肉疲労の原因=悪い姿勢をすることで、肩・首の筋肉が緊張⇒それが疲労に変わり、血液循環も悪くなる⇒肩に痛み・ダルさを生じる)。
四十肩/五十肩を発症する人たちは、ある意味、なるべくしてなったと言えます。それは、普段から肩をあまり動かさなかったからです。肩を適度に動かす習慣を身につけることが、未来の四十肩/五十肩の予防にも繋がります。

肩こりとは…

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四十肩・五十肩…これが何のことを表しているのか、おわかりだと思います。そうです、私たちを苦しませている肩こりのことです(私は今、残念ながら四十肩真っ盛りです)。
肩こりは英語で「Frozen Shoulder」(フローズン・ショルダー=硬い肩)と、表現するそうです。しかし、アメリカ・カナダといった英語圏の人々にとって肩こりは、あまり起こらないそうです。そして肩こりは、私たち日本人を含めた北東アジア民族にのみ多く発症する症状だと言われているのです。
もちろん私たちの中にも、肩が凝らない人たちも結構います…しかし、肩が凝る人たちがごく少数派と言う訳ありません。何故なら保険病名として、しっかり「肩こり」と記載されているからです。

「肩こりなんて、肩がダルいという症状だけなのでしょ。日にち薬ではないけれど、しばらく放っておけば治るのでしょ。」…肩が凝らない人たちは、安易にそう思われるかもしれません。しかし、肩こりは身体中の具合を悪くする病気なのです。肩が凝る⇒それに比例して、首も凝りだし腕も回せなくなる⇒頭もズキズキ痛み出し⇒結局、寝こむほどの具合の悪さに発展…肩こりのダルさ・痛みの感覚を表現するならば…「梅干し・レモンなどを食べると、酸っぱくてキューッ!となるじゃないですか。その感覚が肩の筋肉に起こるような感じ。」「冷たいアイスを食べた時、頭にキーン!と鋭い痛み的な感覚が起こりますよね。その感覚が、肩にくるような感じ。」…(非常に表現しづらいのです)

では、実際の肩こりはどのような原因で発症しているのでしょうか。
私たちの肩は、重力に逆らって肩を吊り上げている上腕部の筋肉群で成り立っています。その上腕部の筋肉群が弱ければ、絶えず強い緊張をもたらされる格好になります。そのうち、筋肉群の一部が過剰な収縮反応を起こします(=筋肉の痙攣状態)。これが、肩こりの正体なのです。
つまり、日本人を含む北東アジア民族は上腕部の筋肉群が弱いため、肩こりを発症してしまうのです。そして、欧米人は上腕部の筋肉群が強いため、肩こりを発症しづらいのです(例外的に、東欧の女性たちは肩こりを自覚しているそうです)。
こうしてみると、肩こりは私たちを苦しめている病態であることは間違いありません。そして肩こりのために、生活の質を低下させているといっても過言ではありません。
このサイトでは、肩こりの中で特に酷い症状をもたらす四十肩について、様々なことを発信していこうと思います。肩こりで悩まれているみなさん、是非、このサイトを読まれて「肩こり(四十肩)の対処法」を学んでいただけたらと思います。